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ティム・バートンのコープスブライト
ティム・バートンのコープスブライド 特別版

これはなかなか面白い作品でした。
製作と原案を務めた『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』から12年。あの雰囲気が非常に好きでして、今回もバートンのパペットアニメが久々に見られるとの事で期待していました。

最初は、登場人物のデザインが気味悪く不気味な雰囲気なのですが、徐々にこれが憎めなくなります。特に死体の花嫁エミリーは、よく考えればゾンビなのですが、手が抜けても目玉が飛び出ても、むしろカワイク見えてくるのだから不思議なものです。

ストーリー的には『ナイトメア』よりまとまっていたと思われます。特にひねった台本ではないですが万人向きの話でしょう。バートンの特殊な世界観を求めると肩すかしを食うかも知れません。
私的には、『ナイトメア〜』のサンタや、『チャリチョコ』の子供達など、特定の人をイジめる描写が無いのが好感。

現実世界をモノトーンで描き、死後の世界は逆にカラフルな色に染められているのがこだわりというか皮肉が込められています。人々の思惑が渦巻く現実は(映画内では)プライドにがんじがらめになり、意地汚く他人の財産を狙うだけの生産性のない社会。一方、死後の世界は身分や差別といった生前のしがらみから解放され、そこに生きる(?)人々は実に生き生きとした魅力的な生活を送っています。
『ナイトメア〜』と同じくミュージカル仕立て。音楽はバートン作品には欠かせないダニー・エルフマン。今回もニヤリとさせるような楽曲を用意しています。でも今回の音楽は少々物足りないかな?耳に付いて離れないような印象的な曲がないのが残念です。


これはパペット(人形)なのかクレイ(粘土)なのかよく分かりませんが、一コマ一コマ細かく動かしながら撮影していくのは大変手間のかかる作業でしょう。
CG全盛の時代に敢えて挑むのは、バートンの道楽という意味合いが強いでしょうが、しかしながら『ナイトメア〜』より格段に技術が進歩していて、まるで3DCGを見ているよう(多少CGで補完はしているかも知れないが)な錯覚に捕われます。それほどキャラの動きはスムーズ、表情も豊かです。本当に只の人形とは思えないこだわりの映像です。
エミリーのドレス(ストール?)が風になびくシーンが、あぁやはりストップモーションだと思わせるのみで、逆にもう少しカクカクした方が味が出たのでは?と感じるほど。

カメラワークも凝っていて絵になるショットが多く、緻密に計算して作られているのが分かります。一日かかっても1,2秒しか撮れないと聞くと、もったいなくて瞬きもできません。上映時間は短いですが中身が詰まっています。

不気味ながらも最後はエミリーの心情にホロッとくるストーリーが素敵です。あとオープニングの蝶が舞うシーンはラストへの布石となりますので・・・。


現実逃避度  ★★★★★
ファンタジー度 ★★★★★
優柔不断度  ★★★★★
≪総合評価≫★★★★★★★★☆☆(10点中8点)

↓以下【作品詳細】&【ネタバレ感想】 
【作品詳細】
19世紀のヨーロッパの小さな村。成金夫婦の気弱な一人息子ビクターと、落ちぶれた貴族の娘ビクトリアの結婚式が迫っていた。この結婚は政略結婚だったが、若い2人は出会った途端、互いに好意を抱く。が、内気なビクターはリハーサルをこなすことができず、暗い森でひとり練習することに。そして誓いの言葉とともに、小枝(と思われたもの)に指輪をはめた。それが、死体の花嫁=コープス ブライドの細い指だとは知らずに!

製作年度 2005年
製作国・地域 イギリス
上映時間 77分
監督 ティム・バートン 、マイク・ジョンソン
製作総指揮 ジェフリー・オーバック 、ジョー・ランフト
脚本 パメラ・ペトラー 、キャロライン・トンプソン 、ジョン・オーガスト
音楽 ダニー・エルフマン
声の出演 ジョニー・デップ 、ヘレナ・ボナム=カーター 、エミリー・ワトソン 、トレイシー・ウルマン 、ポール・ホワイトハウス


【ネタバレ感想】
◆人形でありながら登場人物が非常に魅力的。今流行のキモカワイイ系である。脇役のデフォルメの利いたキャラデザインは秀逸で、この作り込みは『ナイトメア〜』より数段上達している。(三角と逆三角の夫婦、円形と細長の夫婦の組合せとか面白い)
◆特にコープスブライド〔エミリー〕は、見た目は不気味な死体なのだが、表情は豊かでスタイルはセクシー。その性格は真っ直ぐで人を疑わない。一途な愛は単純で浅はかだけど可愛い。彼女に命を吹き込んだのはヘレナ・ボナム・カーター。彼女の演技力が人形を通して伝わってきました。
◆ジョニーデップがビクター役でしたが、あまりその存在は印象に残りませんでした。しかし決して下手という意味ではありません。その声により俳優の顔が見えてしまうCGアニメ作品が目立つ中、観客にデップだと感じさせないのがむしろ彼の凄い所なのです。
◆魚の缶詰が大成功した成金のビクターの家、かつての名門ながら今は落ちぶれたビクトリアの家。片や名声欲しさ、片や貧乏生活脱出。お互いの利益の為の計略結婚に、当人達の気持ちは無視。
◆見たことも無い方のところへ嫁ぐというのは、日本だけではなくヨーロッパにもあったようですね。が、ビクトリアは一緒にピアノを弾いただけ、エミリーに至っては指輪を勝手にはめただけの見ず知らずの男に、あれほど恋焦がれるものなのか?世の中あんなだったら女性は恋愛しっぱなしだし、男性は苦労しない。
◆作品中、楽しいのは死後の世界。陽気で様々な色にあふれている。本来恐ろしい存在であるガイコツがドクロべー様(古!)のように楽しい存在となり、ガイコツバンドの演奏やダンスにワクワクする。
◆かつてビクターが飼っていた犬スクラップスと再会するシーンが素敵で、これが骨なのに動作が可愛い。二人の仲が急接近するきっかけにもなったが、その後、犬があまり活躍しなかったのが残念。
◆途中『風と共に去りぬ』のタラのテーマが瞬間流れたので、あれ?また確信犯的パクリ?と思ったら、エンドロールで曲名が出ていて一安心(笑)
◆ビクターが優柔不断な性格で、ビクトリアとエミリーといったいどっちが好きなの?毒を飲む覚悟はあったのだろうが、2人の間で揺れ動く姿はちょっと節操が無い。
彼女らはこんなのが夫でいいの?たぶん現代だったら両方から振られてしまうだろうな。
◆ラスト、教会に駆けつけたビクトリアを見てエミリーは結婚を断念します。彼女ビクトリアが今置かれている立場は、かつてエミリーが経験した苦しみ。結婚の夢を奪われた自分が、今度は人の結婚の夢を奪おうとしている。同じ苦しみを味あわせたくない。切ない気持ちが観ている者の胸に突き刺さる。彼女が死後も思いやりのある優しい心を残している事に感動します。
◆ビクトリアとの結婚が最初だったから、ラストで彼女と一緒になるのは元さやですが、死んでまでエミリーと結ばれようとしたビクターの覚悟は何だったのか?脅されて観念した様子ではなかったし、只の同情では無いはずですが、いかんせん死体と一緒になるのはやはり気が引けるという事か?この点がストーリー上惜しい所である。エミリーが生きていれば多分彼女を愛したのではと思うのですが。
◆あの男爵(名前忘れた)が以前エミリーと婚約していたというのなら、彼女はやはり貴族のお嬢様だったのだ。もしかすると彼女の家も貧乏な名家だったのかも知れない。それであの男爵に捨てられて・・・。
◆思いを遂げたエミリーは最期やっと自由になれたと、美しい蝶になり月夜に舞い上がっていきます。このシーンの哀しくも美しい事!OPで画面を舞う蝶は彼女だったんだと気づきます。
◆でも今までいた世界は死者の国だったしどこ行くの?もしかするとあそこは地獄で、彼女は天国へ舞い上がったのか?
◆このキャラデザイン、何か見覚えあるんだよな〜と思っていたのですが家に帰ってから思い出しました。
『日野日出志』という昔のホラー漫画家が、この様なギョロ目のキャラを描いていまして結構似ているのではと思うのです。
たぶん日野日出志が分かる人がいくらも居ないと思うので残念ですが、
もしかすると、この作品も日本文化の影響を受けているのかも知れません。
◆途中でちょろ出するガイコツの子供達は、たれぱんだの様だったし、ガイコツのリーダーも昔のアニメで見たような顔(永井豪作品?)。牧師はブラック魔王みたいだし(これは日本ではないですが)・・・。
| 洋画−タ行 | 02:37 | comments(4) | trackbacks(2) | ↑TOP
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この映画、思った以上の出来でした、ピアノのシーンとか最後に解き放たれた蝶のシーンとか素敵で、もっと観ていたいって思いましたよ♪
| たけちゃ | 2006/01/09 2:54 AM |
>たけちゃ様

コメントありがとうございます。
死体を主人公にしているぐらいだから、ブラックな内容かと思いましたが、予想に反して大変美しい作品でしたね。
私ももう少し上映時間が長ければいいのに、と感じました。
| ぽたます | 2006/01/09 3:50 PM |
美しい映像作品、かつ、造形の面白さを改めて感じました。
ただ、ストップモーションの苦労を考えると、もっと脚本にトリッキーさが、ほしかったと思います。
| ナン | 2006/03/24 12:02 PM |
> ナン様
ありがとうございました。
脚本にトリッキーさ・・・
そうですね、話の運び具合は割りと無難にこなした感じでしたかね。「ナイトメア〜」のような毒っぽさは無かったし、この話をわざわざストップモーションでやる必要はあったのかどうか?
でも、私的には「コープス」に流れる優しさは心に染みました。
| ぽたます@管理人 | 2006/03/30 1:48 AM |
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ティム・バートンのコープスブライド(2回目の鑑賞)
鑑賞した日 : 10月27日木曜日 鑑賞した劇場 : 109シネマズ名古屋(19:40〜)   素晴らしい!前回の鑑賞で睡魔に襲われた自分が恥ずかしい。物足りなさもあるけど全然OK。自信を持っておススメできる作品です。死者の花嫁エミリーが愛しくてしかたない。
| ★☆★ Cinema Diary ★☆★ | 2005/11/09 9:16 PM |
映画「ティム・バートンのコープスブライド」
原題:TIM BURTON'S CORPSE BRIDE  −二人の花嫁− 19世紀ロシア民話を元にしたストップモーション・アニメによる映画化、ティム・バートン監督とジョニー・デップ(声)のコンビ作品。・・・結婚式の予行演習を失敗して気落ちする気弱な若者ビクター、帰り
| 茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり〜 | 2006/01/09 2:54 AM |
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